Game Journal.Net ゲーマーによるゲーマーのためのボードSLG専門誌

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最新号

ゲームジャーナルNo.43 ドイツ装甲師団長2

表紙

解説

あの「ドイツ装甲師団長」が完全にリニューアルし、装いも新たに再登場!
かつてアドテクノスから発表された「ドイツ装甲師団長」は、実際に師団長の立場で作戦を指揮できる作戦戦術級の作品というゲームコンセプトは現在でも他に例を見ないユニークな作品であり、特に東部戦線の連戦シナリオは他に例を見ないだけに、現在でも大きな価値がある。
しかしながらウォーゲーム冬の時代に発表されたため、当時広くプレーされたとは言い難かった。
今回、その後のゲームシステムの進歩や、プレー環境の変化などを踏まえた形で、時代に合わせて再デザインされたのが、今回の「ドイツ装甲師団長2」である。

MAP

内容

今回の「ドイツ装甲師団長2」では、東部戦線でのドイツ装甲師団とソ連戦車軍団の激突をテーマに、登場する個々の兵器類のキャラクター性を表現するために、戦闘解決をオッズから火力差による射撃戦システムに改訂された。
その一方、コマンドコントロール関係のルールは大幅に簡素化され、指揮統制を重要視していたゲームから、より各兵器の特性を駆使した戦術を問われるゲームへと、防御的な作戦が要求された前作に比べて遙かに攻撃的な戦術が要求されるゲームへと、生まれ変わった。

本作では、シークエンスは準備射撃-移動-機動射撃に別れており、ユニットのタイプによって射撃できるタイミングが異なる。
ユニットには戦車、自走砲、歩兵、砲兵の4つのタイプがあり、射撃できるタイミングによってそれぞれ適した戦術が異なる。
特に特徴的なのが、通常の戦術級では差別化が表現されていなかった、回転砲塔の戦車と固定砲身の自走砲の柔軟性の差が再現された点。
戦車は移動後の機動射撃のタイミングで射撃できるため先制攻撃が可能であり、攻撃には欠くべからざる兵器であるが、移動前には射撃できないので、退却戦では威力を発揮できない。
自走砲は比較的大きな火力と防御力を持つが、移動前の準備射撃に射撃するので、先制攻撃には使えないため、戦車に比べて柔軟性でハンディがあり、退却戦や防御戦用の兵器として使用される。
歩兵は移動前と移動後の両方のタイミングで射撃できるが、火力と移動力が低いので敵が接近してこない限り先制攻撃できない。
砲兵は大きな火力で目標ヘクスにある全ての敵ユニットに対して射撃がおこなわれるという面制圧兵器であるが、射撃すると弾薬を補給するまで射撃できないので、ここぞという場面で使用すべき決戦兵器である。
迫撃砲は僅か2ヘクスの射程しかないが、歩兵タイプに分類され弾薬補給なしに射撃し続けられるので、火力は小さいものの連続して射撃可能で敵に回すと非常に厄介な兵器である。
また射撃には射撃するユニットの火器タイプと射撃されるユニットの防御タイプによって修正値が付き、この結果戦車が歩兵を攻撃する場合や対戦車タイプの火器が装甲タイプの目標を攻撃する場合などは射撃が有利になる。逆に、戦車が重火器タイプの目標を射撃する場合は射撃が不利な修正を受ける。
このように本作では前作より特徴付けが増した各兵器の特性を駆使した戦術立案が問われる。

キャンペーンシナリオも4~5戦でプレイ可能となったことに加えて、各任務における敵任務との駆け引きの要素が増して、プレイアビリティとゲームバランスが向上している。
あなたは大戦末期のドイツ装甲師団を率い、モンスター兵器同士の激突を制して怒濤の赤軍戦車軍団の攻勢を食い止めることができるだろうか?

ゲームデータ

テーマ
東部戦線末期におけるドイツ装甲師団の戦い
カウンター数
252枚(1ユニット1個中隊)
マップ
1枚
ゲーム期間
x(16ターン)
ゲームの範囲
1個装甲師団の作戦地域
プレイ時間
5~8時間程度
プレーヤー数
2人
難易度
(5段階、5が最高)3